2006年02月17日 |
(by paco)9.11テロは、やはり「真珠湾」と同様、「防がなかった」 |
Global Eyes |
(by paco)僕が9.11テロ事件について、ずっと追いかけ発言してきたことは、知恵市場読者ならご存知の通り。僕は9.11についての米国政府や日本政府の「公式見解」にずっと疑惑を提示していて、主張の基本的なスタンスは田中宇に近い立場をとってきました。田中宇の説は、「ブッシュ政権は9.11テロを知っていたのに、故意に防がなかった」というもので、9.11テロ当時からいくつもの状況証拠が提示されていました。
保守的な立場の人はそれを「陰謀史観」としてあっさり片付け、公式見解を信じていたわけですが、ここに来てついに実質的な情報が出てきたようです。米国議会の独立調査委員会が、以下のような調査結果を公表しました。米軍はモハメド・アッタはじめテロリストの動きを察知していたのに、握りつぶされたというものです。同じような重要情報の握りつぶしは、ブッシュ政権では繰り返されていて、その後のイラク戦争開戦の口実になった「大量破壊兵器の存在」も、元国連査察インのスコット・リッターなどが「イラクには大量破壊兵器はない」と主張していたにもかかわらず、無視して開戦しました。9.11から始まっているように見える一連のブッシュ政権の行動は、多くの欺瞞に満ちていることが次第に明らかになっています。
事件の真相は100年は明らかにならないだろうと言われていたのですが、5年にしてこういう情報が出てくると言うことを考えると、おぞましい事実がさらに数年で、出てくる可能性がありそうです。田中宇らの指摘によれば、ブッシュ政権は「防がなかった」だけでなく、「アルカイダはブッシュ政権の意図を受けてテロを行った」可能性があります。
この構図で比較されるのは、太平洋戦争時の日本の真珠湾攻撃です。米国ルーズベルト政権は、真珠湾攻撃を暗号解読によって知っていたのに、軍艦を対比させるなどの措置を執らず、無防備なまま攻撃させました。それによって「リメンバー・パールハーバー」という形でバラバラな国民を戦争に結集させることに成功したのです。この事実は、今では特に隠されていません。
なぜルーズベルト政権が戦争を起こしたかったのかと言えば、ナチス・ドイツに圧倒されそうになっていたチャーチルのイギリスを救うためで、当時の米国法ではヨーロッパの戦争に参戦することができなかった。パールハーバで日本との戦争が合法的になれば、日本と同盟関係のあるドイツとも戦争ができるようになるのです。つまり日本は米国と戦争までする必然性はなかったのに、米国のドイツ参戦のための口実として、挑発され、日本はそれに乗ってしまったというわけです。
9.11テロも同じように米国が「テロとの戦争」に突入し、世界の単独覇権を狙おうとしたきっかけづくりとして、「防がなかった」可能性があります。
ただし、第二次大戦後はその後、米国の大勝利に終わったので、疑惑は正義としてかき消され、9.11はその後の戦争に負けつつあるので(イラク)、こういった疑惑の情報がこのタイミングで出てきた、ということなのでしょう。
米国民はすでにこういった情報に対して「耳を塞ぎ、目を覆う」ことで、自分たちの生活や立場を守り、みじめにならないように防衛しているモードに入っているようですが、そういう「国民的思考停止」が米国を大きく凋落させていく可能性が、あちこちから指摘されています。すでに米国では、ここ数年の不動産バブルが崩壊して、大不況に陥る寸前です。今まで持ったのは、経済の名称として権力を握ってきた連邦銀行のグリーンスパン議長の最後に泥を塗りたくないという理由でしょう。今年は議長が交代したので、これをきっかけに矛盾が露出し、米国経済が崩壊する可能性があります。
ここ1年ほどは大きな国際事件がなく、やや平穏にも見えますが、水面下では変動が準備されてきているようです。注目していきましょう。
────────────────────────────────────
「同時テロ、防げたかも」 米軍担当者が情報把握を証言
2006年02月17日07時20分
http://www.asahi.com/international/update/0217/002.html
「01年9月11日の米同時多発テロ以前に、米国防総省は、事件を防げたかもしれない情報を把握していた」――米軍内で機密の情報分析作業に携わった予備役軍人らが15日、下院軍事委員会の公聴会で証言、実名で異例の内部告発をした。この情報は、連邦捜査局(FBI)などほかの政府機関と共有されず、葬られてしまったという。
国防総省は「確認できない」としているが、告発者側は、テロ後に責任を問おうとしたところ、口封じの圧力をかけられたとも非難した。同委副委員長のウェルドン議員(共和党)が告発側の言い分を認め、隠蔽(いんぺい)工作についても調査を継続する意向を示しており、問題はまだくすぶりそうだ。
軍事委の戦略・テロ等小委員会で証言したのは、陸軍元情報将校で、国防情報局(DIA)職員=休職中=のアンソニー・シェーファー予備役中佐ら3人。質疑応答の大半は機密保持上の理由から非公開だった。
シェーファー氏によると、米軍は99年秋から00年末まで、特殊作戦軍などが中心となり、機密情報と公開情報を統合したデータベースの解析作業によって国際テロ組織アルカイダの動向を追う機密作戦「エイブル・デンジャー(巧みな危機)」を実施していた。同氏はDIA内の担当班の責任者だった。
この作業で、00年1月に、同時多発テロ実行犯のリーダー格とされるモハメド・アタ容疑者について、93年の世界貿易センタービル爆破事件への関与が指摘されるイスラム過激派指導者オマル・アブドルラーマン師と関係ある人物として、名前と写真入りで登場する相関図が作成されていたという。契約企業から派遣されたアナリスト、ジェームズ・スミス氏は、自分が図を作ったと証言した。
だが、作戦が「上層部からの指示」で中止された後、こうした情報はすべて破棄されてしまったという。シェーファー氏は、「我々が把握していた情報が共有されていれば、テロを防げた可能性は高い」と断言した。
同氏は、同時テロ独立調査委員会に対してこの情報の存在を明かした直後から、経費を不正使用したなどと根拠のない疑いをかけられ、機密データにアクセスする権限を奪われた結果、現役継続断念に追い込まれたとも訴えた。
これに対し、国防総省側はケンボーン国防次官(情報担当)が証言に立ち、「調査したが、そのような図やデータがあったという証拠は確認できなかった」と述べ、内部告発者らの言い分はいっさい認めなかった。
■トラックバック
このエントリーのトラックバックURL:
http://www.f00-189.211.183.203.fs-user.net/mt/mt-tb.cgi/202



■コメント
お久しぶりです。こちらに移動されたのを今さっき知りました。
〔9.11テロは、やはり「真珠湾」と同様、「防がなかった」〕という見出しは、少しやりすぎではないでしょうか。
個人的には、あれだけのテロの情報を米政府当局が何も掴んでいなかったとは信じられません。
が、これは私の思い込みですし、「何かある」とはわかっても防ぎようがなかったとかいう程度のものかもしれません。
真珠湾にしたって、「日本が戦争を起こすのはわかっていたが、まさかいきなり航空母艦主力の部隊が真珠湾に来るとは思わなかった」という見解が一般的なものではないでしょうか。
9・11テロを「防がなかった」という記事は、今検索しても朝日新聞しか手繰れません。真実とすれば、歴史を覆す一大事件であるにも拘らずです。
これまでの様々な事件を考えても「朝日新聞だけが真実を追究する姿勢を持つ新聞」とは思えませんし、朝日の記事を読んでも内容についてはほとんど触れられていません。ネット上で見てもさほど話題になっているわけではありません。2chでスレッドを一つ見つけましたが、6つの書込みで終わっていました。
田中宇氏にいたっては、9・11テロの直後にいきなり「タリバン」という著作を出して、しかもその中で私のような素人(94年頃から朝日新聞とネット上のアフガン情報を追っていた程度)ですらわかる虚偽情報を堂々と書いていた方です。
朝日の内容のない記事と、センセーショナルな情報を書き散らして本を売るジャーナリストの見解だけをもって、「真相が見え始めた」というのは、多少行き過ぎではないかと思うのですが・・・。
米退役将軍が「核抑止力」というものは有効ではなかったという見解を出したという記事を、10年くらい前の朝日新聞で読んだことがあります。
米国高級軍人によってこのような見解が出されるというのはかなりの重大事です。しかしその後、国際政治を語る上で、核抑止力という考え方が決定的に不利になったという話は聞きません。現在でも、「昔からその考え方に反対だった人が反対している」という程度のものでしょう。
マスコミの情報なら複数はチェックする、掲示板の論者の意見を見る、米国のニュースならできれば米国のサイトまで行って確認する、、、
何らかの断定を下すのはそれからにすべきではないかと私は思います。
そうでなければ、こういう↓書き込みは、米国民に対して失礼に過ぎるでしょう。
>米国民はすでにこういった情報に対して「耳を塞ぎ、目を覆う」ことで、自分たちの生活や立場を守り、みじめにならないように防衛しているモードに入っているようですが、
田中宇氏も朝日新聞ももともと「反米」の傾向が強い方々であるのは明白なのですから。
投稿者: X | 2006年3月12日 16:46
こちらでもよろしくお願いします。
もしできればですが、ハンドルネームをもう少し名前らしいものに変えていただけると、親近感が持てそうです。
この前、Xさんとpacolog!の方でいろいろと議論をして、僕なりに考えるところがあったのですが、僕はこういう議論を反米とか、親米とかいうくくりで話したくないし、そういうつもりもありません。田中宇も、自身が反米であるという認識もないだろうし、むしろ米国という存在を認めた上で、彼らの行動原理を理解しようとしているだけだと思います。
僕が国際政治についてずっと書いてきていることは、田中宇と同じく、世界を動かしている原理と、その意図を探ろうとする営みです。僕は、これまでのいろいろな調査と研究から、戦争のような大きな行動には、「たとえ必然性や合理性がなくても、それをしたいという意図を持つ人間がいて、その個人がいなければ(またはそういう考えを持たなければ)、大きな戦争は起きない」という考えに立っています。理由を説明するのはいささか面倒なので、はしょりますが、要するにそういうことです。
Xさんのような考え方は、とてもノーマルなので、否定するつもりはありません。そうであってくれればいいなと思います。でも、僕が僕の頭で考えられる合理性を持って考えたときに、真珠湾攻撃が米国にとって本当に不意打ちであって、被害を食い止められなかったとは思えません。むしろ、知っていて防がなかったという状況証拠の方が多い(たとえば、暗号が解読されていたこと、真珠湾の司令官が艦船を本土に移すように進言していたのに無視したことなど)。
その真珠湾攻撃が、米国世論を、大戦(特に対独戦)参戦へと方向転換させた。
9.11では、ブッシュJr.は事件後すぐに「パールハーバー以来の」という表現を使って対テロ戦争を宣言していること、またテロを「戦争」と位置づけていること、そしてそれ以前に、アフガンのパイプライン計画がタリバンとの交渉不調によって頓挫していることなどを考えると、ブッシュJr.が世界戦略上、9.11を利用しようとしたと考える方が僕にとっては合理性があります。ブッシュJr.が、というよりは、ブッシュ政権に入り込んだある種の側近たちが、というかもしれませんが。
それと、「米国民に失礼」といっていますが、僕はそうは思いません。米国の中にも、僕と同意見の人がたくさんいるのを知っていますから。彼らは、「ブッシュがなぜ再選されたのか?」と本気で憤り、「米国人は本当にアホになった!」と自国民をののしっています(もちろんある種の愛情は持っているからこそ怒りですが)。
で、こういう僕の判断について、「根拠がなく間違っている」というコメントは歓迎しますが、根拠を示して反論に対して反論するかどうかは、指摘の内容と僕の意欲が続くかどうかによって変ります。
僕から見ると、Xさんの考え方は、「なぜ9.11やそれに続く戦争のうなことが起きるのか」ということについて、問題の本質を見極めようという意欲を感じられません。結果として起きたことを追認しているだけのような気がします。
投稿者: paco@知恵市場 | 2006年3月13日 01:37
遅くなりまして申し訳ありません。
>「なぜ9.11やそれに続く戦争のうなことが起きるのか」ということについて、問題の本質を見極めようという意欲を感じられません。結果として起きたことを追認しているだけのような気がします。
なるほど。たしかに私の意見にはそういうところはあります。
例えば、私はアフガン空爆は支持していますから。むしろ遅すぎたと思っているくらいで。
>「たとえ必然性や合理性がなくても、それをしたいという意図を持つ人間がいて、その個人がいなければ(またはそういう考えを持たなければ)、大きな戦争は起きない」という考えに立っています。
私の場合、調査と研究というほど立派なことをやってきたわけではありませんが、「その個人」のような存在は時代が生み出すものだと思っています。どんなに偉大な政治家であれ歴史家であれ、時代の子に過ぎないからです。ヒトラーだって今のオーストリアに生まれていれば、あんな人生を歩むことはなかったでしょう。
だから、例えばヒトラーやビン・ラディンのようによほどの明確な意志が認められない限り、「誰それがこういう意志を持っていたから?が始まったんだ」というような仮説は避けてしまうのです。最初から犯人探しになってしまうからです。
一人の人間であるブッシュの不明確な裏側を暴くことに一生懸命になるよりも、もっと表に出ている材料で「イスラムとは」「アメリカとは」といった議論を見る方が建設的な気がしてしまうんです。
だから、アフガンの空爆を誰かの陰謀と批判することよりも私がまず興味を持ってしまうのは、
・なぜソ連撤退後のアフガンに誰も興味を持とうとしなかったのか?
・なぜそのことに対する反省があまり見られないまま空爆の批判ばかりが出るのか?
・なぜタリバンのような特殊なイスラムが出てきて他民族を迫害したのか?
・なぜそのような状況になっているのに、世界はほとんど興味を持たなかったのか?
・なぜ仏像が破壊されたことだけ日本人は憤ったのか?
そういったことなのです。
投稿者: Xあらためmainstreet | 2006年3月25日 23:31
mainstreetさん、こんにちは。
コメントへのreplyを書こうと思ったのですが、ここにさらに付け加えるよりは、新しい記事にした方がよいと思い、別にアップしました。そちらをご覧ください。
投稿者: paco@知恵市場 | 2006年3月27日 02:26