2006年02月22日

(by take) 小さな命の重さ

Global Eyes

(by take) 先日、新聞を読んでいると胸が痛くなるような記事が出ていました。
それは教会横で中絶薬販売していた話。

マニラ市内の教会周辺の路上で中絶薬を違法に販売したとしてカロオカン市在住の女性(39)が逮捕されました。調べでは、女性は処方せんが必要な中絶用の飲み薬を販売した疑い。同教会を訪れた若い女性らに近付き、1錠35ペソ(75円程度)で販売していたとのことです。フィリピン人が信仰している「神」の横で、小さな命が奪われる違法行為が行われていたのです。

これは、悲しいかなよく聞く話です。フィリピンは人口の85%以上がカソリックというキリスト教大国です。その教えには「sexは子供を造る行為」であるとあり、妊娠中絶を「神の教えに欺く行為」と位置づけています。

その為か、避妊に無頓着な人も多いですし、特に貧困層はこれと言った娯楽もなく、長い夜にすることと言えば、、、
と言う訳で「貧乏人の子沢山」が溢れています。(ちなみに僕の彼女も7人兄弟です)そして、生活苦に陥るひとも多いのです。

彼女が学生時代に、彼女の同級生が妊娠してしまったことがありました。同級生は勉強も良く出来たので、奨学金も獲得して、何もかもが順調だと感じていた矢先に、その友達は妊娠してしまったそうです。その彼氏は働いているのですが、秘書をやっている親戚の雑用係りなので、大きな収入もなく立場も微妙な感じだったそうです。(正規職員ではありません。)そして、彼女がいくら相談しても、彼はこの件に関しては「彼女が決めればいいよ!」という他人行儀で無責任な返事を繰り返すばかりだったそうです。寮生活をおくる同級生はお母さんにも相談出来ず、どんどんお腹が大きくなっていったのでした。出産となれば学校を続けていくのは難しく、悩んでいたそうです。

結局、最終的に彼女が選んだのは、違法な妊娠中絶でした。助産婦さんで「くせ者」がいて約2000ペソで請け負ってくれます。妊娠4ヶ月でしたが、薬を飲み大量の出血とともに、手足がバラバラになった子供を流産しました。手慣れた手つきで助産婦さんは処置をして、不安に涙ぐむ同級生のよこで平然としていたそうです。そして、体調不良と金銭的な問題で、半年間の休学も余儀なくされてしまいました

非常に生々しい体験を、彼女を通じて聞いたのでしたが、とても悲しい思いがしました。最初の薬を飲んでもなかなか流産しなかったという話です。まるで子供が必死に生きたいとがんばっているように思えて、余りの不憫さに胸が痛みました。

国の事情、個人の責任、考え方の違いなど、色々な事があるので、簡単に誰が悪いとは言えませんが、命の重さは同じはず。

その話を思い出すと、大きなお腹を抱えて一生懸命僕の下着を手洗いで(僕の家にはまだ洗濯機がありません)洗濯してくれる彼女に、感謝の気持ちで、涙が出そうになります。

フィリピンでは、まだまだ先進国と比べて0才児の死亡率が高いそうです。それ故1才のお誕生日は、「もう大丈夫」という意味もあり盛大に行われる風習があります。祝福される命が、少しでも多くあって欲しいと願います。(by take)

投稿者 writers 09:25 | コメント (2) | トラックバック (0)

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コメント

読めば読むほど悲しいことですね。
その女性は不幸な状況で妊娠せざるを得なかったわけですが、カトリックではコンドームの仕様も余りよいこととしては認められていないのでしょうか。認められていても、金銭的に買えるのか、彼との関係で使えるのかといった問題もありそうです。妊娠しても、彼が責任を持って対応してくれれば、ということもありますが、もう少しちゃんとした医療機関が安全に中絶できればという気もします。もちろん、宗教的な意味で中絶を認めないということもわかるのですが、現実の世界はまだ、残念ながら「神の国」ではないですからね。

引き続き、フィリピンレポート、たのしみにしています。

人口問題は国が抱える問題なので、政府は「ファミリープランニング」を推奨して、一部の教会も協力しているのですが、人々の実感が薄く、コンドームは「邪魔くさい」「高いからもったいない」なんかで使わない人が多いと思います。個人の意識の問題が大きい感じですね。基本的に中絶は法律で認めていないと聞いています。そこで結局、違法な堕胎が横行することになってしまいます。女性は受け身なので重荷を背負うことになりますが、シングルマザーになった場合は、日本ほど「触れてはいけないこと」ではなく、周りの人も温かく育てているのがせめてもの救いですね。

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