2006年05月25日 |
(by 中澤数人) レジャーとしての農 ?お米を自給してみる? |
Environmental Eyes |
(by 中澤数人)
旧暦の二十四節気では、先週の20日に「立夏」が終わり、21日から「小満」に入りました。「小満」とは、「万物が次第に成長し、天地に満ち始めるとき」という意味だそうで、徐々に夏の陽気となり、作物もどんどん生長しています。群馬県吉井町の農場では、露地で栽培している夏野菜のトマトやキュウリ、ナス、カボチャなど、様々な作物の花が咲きはじめ、実をつけはじめました。また、収穫物としても、玉ねぎやじゃがいもがあともう少し、それから小麦も徐々に実をつけはじめたというところです。
さて、今日はお米の話です。今年は、自分が食べるお米を自分で作ろうと思い、農家さんから2畝(約60坪)ほどお借りすることができました。先日、5月5日に種もみを蒔き、苗作りをしています。順調に生育すれば、来月の17日前後に田植えをする予定です。
日本人の主食といったら、やはりお米です。農水省の「食糧需給表」によると、一人当たり年間62キロ消費しています。一ヶ月間に換算するとだいたい5キロですね。パン食・肉食の増加や外食の日常化により、お米の消費量は減っており、ピーク時に比べると約半分になってはいますが、それでも誰もが1日1食は食べている主要作物であることは間違いありません。僕はこの数字を見て、けっこうお米を食べてるなぁ、と思ったのですが、いかがですか?
栽培に関して言うと、お米は、最も機械化が進んでいる作物のうちの1つです。一般的な農家さんが作る場合は、田起こし・代かきから始まり、田植え、そして収穫時の稲刈り、脱穀、乾燥、もみすりまで、ほとんどの場面で、機械が活躍しています。昔のように稲の苗を手で植えたり、刈り取りを手で行う農家さんは、ほどんどいません。また、栽培途中に行う除草も、除草剤を使えば(よく効けば)1回散布するだけでOKですので、管理にもほとんど手間がかからず、水田作業は、ずいぶんと楽になりました。汗水たらしてお米を作るというのは、遠い昔のお話なんですね。
とはいいつつも、農家ではない普通の人が自分でお米を作ろうと思っても、機械を使うのは無理だし、自分が食べるお米を作るのに、除草剤などの農薬を使うのは好まないという人も多いと思います。では、手作業でかつ除草剤を使わずに、お米を作るのは難しいかというと、うまくポイントを抑えれば、そんなに大変ではないかなと思います。ある程度の知識と経験があれば、レジャー感覚でも、十分、お米を自給できます。
その理由としては、まずそんなに面積が必要ではないということが挙げられます。産地や品種、天候によりますが、きちんと作れれば、1反(300坪)で、8俵(480キロ)程度収穫できるというのが平均的なところだそうです。仮に2人家族だとすると、前述した標準消費量から換算して、120キロのお米が収穫できれば、1年間に食べるお米をだいたいカバーできることになります。とすると、2人家族が年間に食べるお米を作るのに必要な面積は、約2.5畝(75坪)もあればOKということになります。75坪というのは、すごく広いというほどの面積ではないと思います。おそらく、それなりにやる気があれば、手作業でも十分できる大きさです。
それから、機械でやる作業と手作業の区分けですが、田んぼの準備段階に行う田起こし・代かきの部分と、収穫後の脱穀・もみすりの部分は、人力で行うのはけっこう大変なので、機械を使った方が効率的です。ただ、それ以外の部分は、手作業でも十分できます。田植えや稲刈りは、楽しいイベントになりますし、夏の間に行う除草も、米ぬかや稲わらなどの有機物や緑肥を活用したり、不耕起で栽培するなど、除草剤を使わない方法が色々とあります。また、人の手で押して除草を行う八反転がしという道具もあります。これはなかなか優れもので、腰をかがめて除草しなくても、かなりの部分の除草が出来てしまいます。
ですので、うまいやり方ができれば、そんなに大変な思いをせずに、レジャー感覚で楽しみながらお米作りができます。もし気の合う仲間たちがいれば、グループでお米作りをすれば、もっと楽しいかもしれませんね。
おそらく、最初から水田を借りて自分たちでというのは、ある程度の知識とツテがないと難しいので、トライアルとしては、自治体やNPOが主催している体験講座がいろいろとあるので、興味のある方は探してみてはいかがでしょうか。僕がお手伝いをしているNPO、緑の家学校でもお米作り体験をしていますし、他にも、棚田オーナーといって、景観のいい棚田でお米作りを体験できるサービスもたくさんあります(例えば、関東近郊では、千葉県の鴨川や、群馬県の月夜野など)。今の時代は、お金を出せばおいしいお米はいくらでも買えますが、自分でお米を作るという行為には、また違った楽しさと充実感があると思います。
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